上の子がかわいくない   2003/10/29(Wed)

第1子が割を食う。しばしばあることです。一番上の子は親子関係において損をしがちです。とくに第1子長女、いちばん上で女の子の場合には割を食う危険性が高くなります。
この場合の「割を食う」または「損をする」は、親によって「子どもとして十二分に愛されないこと」を意味します。弟や妹のように愛されない。そんな「お兄ちゃん・お姉ちゃんだからこその悲劇」は、意外に多くの人々が自身の子ども時代に味わっているし、意外に多くの親たちが自分の子どもに味あわせています。
「お姉ちゃん・お兄ちゃんなんだからしっかりしなさい、我慢しなさい」
親なら誰でも口にしそうな常套句ですね。言葉を換えるなら、どんな親でもしばしばしてしまう子どもへの理不尽な要求です。
けれど第1子だって子ども。妹・弟たちと同じようにたっぷり愛されたくてならない子どもです。したがって親の都合にそった「しっかり」や「我慢」には、本当だったら耐えられません。もしも親の都合にそのままこたえるほどにしっかり我慢の子として過ご続けてしまったら、その子の心はいずれ破綻します。だから親の目からみれば「お姉ちゃん・お兄ちゃんなのにしっかりしていない我慢の足りない子」でありがちです。
かわいそうに、その点において「親の目にかなわない、かわいくない子」として判断されてしまうのが第1子です。
第1子長女として生まれ育ったお母さんが、第1子を「かわいくない」と感じてしまう。これこそがあそこにもここにもある悲しい親子関係です。自分が味わった悲劇を自分の子どもの上に再現してしまっている。この悪循環を乗り越えるのはなかなか大変です。



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