既婚者の恋愛(不倫)   2003/10/26(Sun)

「不倫」とは、「倫=人の道」にあらざる所業の意。きわめて厳しい戒めの言葉です。しかしこの厳しさの前提には「一夫一婦制結婚制度」があることを忘れるわけにはゆきません。
社会の状況、経済の激変にともない「倫」も激変しています。
道徳や倫理は絶対不変ではありません。過去には良とされたことが今では可であり、将来には悪とされる。あるいは過去には悪であったのが今では可となり将来は善となる。そうしたプロセスがあるということは認めたほうがよいでしょう。
一夫一婦制は崩壊しかけているという見方もあります。女性が生活力を手にしやすくなった社会において、女性が結婚からの解放を潜在的に望んでいるとみることも可能です。結婚制度の事実上の崩壊に深い脅威を感じているのは、むしろ男性だとみることも可能でしょう。
ここでこれ以上に踏み込むことは避けますが、結婚制度、男女間の倫理は、驚くほど深いところから揺らいでいるのです。したがってこれをめぐる「倫」の概念も、すでに大きく変化しています。
たとえば「バツイチ」。昨今では「バツイチ」を揶揄する空気は驚くほどに薄れました。この社会には避けがたい必然となったからです。
既婚者が、配偶者以外との恋愛関係にあること。もちろん推奨されることではないのでしょう。大らかに何のこどわりもなく表ざたにできることでもないでしょう。
しかしその人の心のありさまにとって必要不可欠である場合は少なくありません。そうでなければ生きられない。そんな切実な「フリン」もあり得ます。
したがって私は、フリンを悪とは考えません。カウンセリングにおいては、その意味を大切に考え、明日の財産となり得る道を探るべく努めます。
とはいえ、将来はともかくとして、現在においては「いまだ反社会的行為」であるいことを忘れるわけには行きません。すなわち、当事者の領域をはみ出して表ざたになれば、必然的に非難されたり物議をかもすことは覚悟しなければなりません。
カウンセリングルームにおいても話題になることです。当事者に対して私は「すべてを自分の問題として、当事者同士の領域で処理する覚悟」を強調します。それが「フリン」を手にしている人にとっての最低限にして最大の責任だと考えています。あらゆる意味で他を巻き込んではならない。そう強調します。
気をつけておきましょう。「不倫」の人々には甘ったれが目立ちます。なんらかの形で、意図してか意図せずしてか、周囲に気づかせてしまう例が目立つのです。
心理を分析するなら「そんな身勝手をしている自分をも許し受け入れろ」というアピールでもあり得るその甘ったれさえなければ、フリンは現実的には問題とされるべき行為ではないともいえるのです。



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