鈴木慎冶 2002.07.05 写真集


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多感にして繊細。少年に近い感情であれば、彼の心身にインプットされる情報は驚くほどに膨大なはずだ。それに比べれば、彼からアウトプットされる情報はわずかでしかない。そのあたりを見誤ると、彼は普通の人にみえてしまう。
インプット量とアウトプット量のアンバランス。これはたしかに、彼という個にとって厄介きわまる問題に違いない。要はアウトプット量をふやせればいいのだけど、これがなかなか思うにまかせない。
デジカメ。それは彼なりのアウトプットの手立てであり、そのおかげで、彼の言葉はいまだ少なめではあるけれど、表情はすごく豊かになった。彼が切り取る情景は実に美しい。
もっと図々しく生きろよ、大胆でいいさ、身勝手になれよ、とか思いながら、しかし彼の情景を目にすると、うんうん、このままでもいいのかな、とか思えてしまうこともある。

山崎雅保