悪い友達の影響   2003/10/26(Sun)

「あの子は、悪い友達の影響を受けて悪くなった」「あの子が悪いことをするのは、友達の影響を受けているからだ」「悪い友達とのつき合いをやめさせれば、あの子は悪いことをしなくなる」
しばしばそのようないい方、考え方を耳にします。それらの意見がまったく間違っているとは思いません。当たっている部分もあるのでしょう。しかし現実的には「悪い友達」との関係を断たせようとしたところで、まず成功することはありません。むしろ、子どもは「あんな友達とつき合ってはならない」に類する説教や干渉に反発し、親や周囲の大人への態度をなおさら頑なに反抗的にしてしまうとみておいたほうがよいでしょう。
心には原理があります。荒んだ心は荒んだ心と親和します。淋しい心は淋しい心と親和します。温かく安定した心は温かく安定した心と親和します。要するに「悪い友達」つまり「荒んだ不安定な心理状態の者」とつき合う子どもは、そのまま「荒んだ不安定な心理状態」にあるわけです。
したがって説教や干渉で「悪い友達」との距離を遠ざけさせようとする以前に、子どもの心を和らげ安定させることを優先しなければなりません。説教や干渉は子どもの心を荒ませますから、やればやるだけ損。それよりも「悪い友達」も子どもにとっては大事な仲間であるということを大事に受け止め、「それぞれによいところのある友達なんだね」と認めてやることが大切です。
親によってそのような理解が幾重にも伝えられると、子どもの心は和らぎ安定します。すると次第に、より穏やかな安定した心理状態の者と交流するようになるのです。



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