強迫神経症   2003/10/26(Sun)

強迫観念に襲われる。あることがとても強く気になって、他の本来やるべきことができなくなってしまう状態です。その「強迫観念に襲われる」が日常化してしまい、生活行動が普通にできなかったり、普通に過ごすのに大変な苦労をしなければならない状態を「強迫神経症」といいます。
強迫神経症における強迫観念は多種多様ですが、しばしばあるのは次のような例です。
●手の皮がすりむけるほど手を洗い続ける。長い時間かけて洗い終わったにもかかわらず、他者からみたら些細なきっかけでまた同じように洗い続けずにいられない。
●1時間以上かけて、ときには2時間も3時間も風呂に入って、体中を過剰にていねいに洗う。
●ガス栓やカギを閉め忘れたのではないかと気になり、戻って確認する。確認したにもかかわらず、再び気になりまた戻って確認し、さらに確認を行きつ戻りつの確認をくり返す。
●私ドアがちゃんと閉じているかどうかを、ドアノブを握って異常にガタガタさせて確認し、その確認を反復する。
●不潔や細菌感染を極端に嫌い、ドアノブ、電車のつり革などに触れられず、触れてしまうと徹底的に洗浄する(遠方から自宅に戻らなければ気がすまない場合もある)。同じ強迫観念から公衆トイレに入れない。
●あらゆる物が直角、対称、水平、垂直などの基準にそって整頓されていないと耐えられない。
●外に出ると、自分がなんらか犯罪などに類する行為をしてしまうのではないかと恐れて出られない。
強迫神経症の人は、これらの強迫観念が意味のない単なるこだわりであることを熟知している場合が大半です。それでもやめられないところに、この神経症の苦しさがあります。
強迫神経症の温床となるのは、極端な真面目さ・几帳面などの性格傾向です。こうした温床の上で、とくに青年期の男性において心理不安や親子関係の不良などが引き金となって表面化します。いったん表面化してしまうと、それをやめさせようとする家族との軋轢が刺激となってさらに悪化し、悪循環におちいりがちです。
強迫神経症にはうつ病が併発しがちです。治療には薬物療法も有効とされますが、根源的な原因である心理要因を取り除くという面に注目するいなら、薬物療法を従として心理カウンセリングを主とするのが最善でしょう。



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