兄弟姉妹ゲンカ   2003/10/29(Wed)

イラ立ち、腹立ち、怒り、不安、不満などは、階段状の滝のように上から下へと流れます。社会から親へ、親から子へ、子から孫へ、孫から…。そんな具合に下の世代に向けてザーザーと遠慮も何もなく流れ落ちかねないのが、イラ立ち、腹立ち、怒り、不安、不満などなどの感情です。
母親も、もちろん多くの感情を受けています。うれしい感情もあれば、あまり歓迎できない感情もあります。
自身の親から受けたイラ立ち・腹立ち・怒り、不安、不満。夫から受けたそれら。社会から受けたそれら。そうした歓迎しにくい感情は、それこそ腹の中におさまりきれませんからはけ口を求めます。
はけ口としてもっとも便利なのは、我が子。私達は、我が子をこそ感情のはけ口、感情のゴミ箱にしかねません。認めたくないかもしれませんが、親とはそのような存在でもありがちです。
そのような図柄の上でみると、子ども達は、家族の感情の段々滝のいちばん下に位置しています。そこにイラ立ち、腹立ち、怒り、不安、不満などなどのムカつく感情がどんどん流れ落ちてくれば、兄弟姉妹は憂さ晴らしせざるを得ません。
兄弟姉妹ゲンカが激しいとすれば、その源は「絶対に間違いなく」といってよいほどに、親にあります。その点を押さえることがとても大切です。
対応のテクニックとしてもっとも大切なのは、お母さん・お父さんが介入しないことです。兄弟姉妹ゲンカに親が介入するのは、火に油を注ぐ行為です。その場は抑制できたとしても後の衝突エネルギーが高まります。
兄弟姉妹ゲンカにおける心理的力動(各々の間に行き交う感情)をしっかり把握したければ、経験の深いカウンセラーの説明を受けるのも方法でしょう。
子ども時代の兄弟姉妹ゲンカは、一見「大騒ぎ」にみえながら、まずケガにつながることはありません。命にかかわらないやり合いは、そのままやるがままにさせておく。そうすれば兄弟姉妹同士の自律的な関係が成立します。親の介入は、そのプロセスを阻害するだけでなく、兄弟姉妹同士の感情的対立をより激しいものにしてしまいます。



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