LD(学習障害)   2003/10/26(Sun)

知的能力は標準またはそれ以上でありながら、学習する能力に障害があって、読む・書く・計算するなどの能力発達が遅れてしまう障害です。一般的には小学校入学後に診断される例が多く、読字障害・算数障害・書字障害の三つの障害がそれぞれ独自に、または重複して現れている場合があります。
原因は、ADHDの場合と同様に「はっきりとは解明されていない脳における微細な生得的機能障害が原因となる生涯である」、すなわち微細脳機能障害(MBD)と考えるのが、現状では一般的です。
LDの子によくみられる「つまずき」は以下のとおりです。@聞こえていても言葉の意味を理解することが困難、A自分のいいたいことを表現するのが苦手、B字や行をとばして読んだり読めるが意味を理解するのが困難、C形の整った文字を書くことが苦手で鏡文字になったりする、D繰り上がりや繰り下がりの計算でつまずく、E計算はできるが図形や文章問題が苦手。
LDの子の指導には次の諸点に配慮することが大切だとされます。
@ 聞く・話すときに/注意を促しながら話しかける。声だけではなく動作や絵や写真などの視覚情報も併せて示す。自由に気楽に話せる雰囲気を作り、身近な話題を語らせる。
A 読む・書くときに/文字を大きくしたり行間を広げたりする。1行だけみえる補助紙を用いる。子どもが関心を持つ読みやすい文章を音読させる。文字の特徴に注目させる。
B 計算するときに/理解が滞っている部分を明確にして、ステップbyステップできめ細かく指導する。文章問題では具体的な物を用いたり図解するなどして、文章内容を理解することに時間をかける。
なお、LDと診断される中には、環境因子が強く作用して後天的に生じている障害が含まれている可能性も皆無ではありません。そのようなLD類似の障害に関しては片岡直樹医師(小児科)と私の共著である『しゃべらない子どもたち・笑わない子どもたち・遊べない子どもたち』(メタモル出版)を参考にしていただければ幸いです。



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