過呼吸・過換気症候群(息苦しいパニック)   2004/02/16(Mon)

次第に息が苦しくなり、または、突然に息が苦しくなり、不安と焦りでパニックになった状態です。両手の指や口周辺がしびれた感じになったり、ときには意識がもうろうとする場合もあります。
このパニックは、多くの場合、一定の間くり返し現れます。また若い女性に頻発し、男性や若年期を過ぎた人ではあまりみれらません。
まず、もっとも大切な点を確認しておきましょう。過呼吸症候群(=過換気症候群)で死亡したり後遺症が残るなどの心配はありません。したがって、本人ももちろんですが、とくに周囲にいる人が過剰反応しないことが大切です。周囲の人の過剰反応も一種のパニックであり、この周囲に併発するパニックは、本人のパニックを増長して長引かせてしまいがちです。
過呼吸症候群の原因には身体的な要因も皆無ではないようですが、大きくは心因性のものと考えられています。不安傾向の強さ、過度のストレスに耐えなければならないという思いつめ、神経症傾向、過度の依存傾向などが背景にあるとみてよいでしょう。
したがって、過呼吸が反復してあらわれる人は、心理カウンセリングを受けることで、心の問題に一定の整理をつけることが不可欠であり、多くの場合、適切な心理カウンセリングで解決します。
その場の対応としては、精神化または心療内科の医師によって処方された精神安定剤を服用するという方法もあります。また症状がひどいときには、救急外来で安定剤を注射してもらうことも可能です。しかし、いずれにしてもその場しのぎであり、根治的対応ではありません。
過呼吸の苦しさの原因は息の吸いすぎであり、酸素の取り込み過ぎです。知らぬ間に早い呼吸になっていて必要以上に酸素を取り込んでしまった結果、血中の酸素濃度が過剰になってしまい、それが呼吸の苦しさとして自覚され、苦しいからなおさら息をしようとする悪循環にはまってしまいます。
そこできわめて適切な応急処置の一つとして知られているのが、袋を口に当てて息をすることで、自分が呼(は)いた二酸化炭素濃度の高い息を再び吸う方法です。これを行うと相対的に酸素濃度が低下し二酸化炭素濃度が上昇するため、身体的な苦痛が去り、その結果心理的にも安定してパニック状態が終わります。



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