自傷行為・抜毛など   2003/12/05(Fri)

髪の毛や眉を執拗に抜く。自分で自分に噛み付く。頭を壁に打ち付ける。そのようにして自分で自分の体を傷つける行為を自傷行為と呼びます。リストカットも自傷行為の典型的な形の一つです。
リストカットの項でも書いたとおり、最大の原因は愛情飢餓・孤独感・淋しさ・焦燥感・無力感などであり、温かい愛情に包まれて安心して過ごせる心理環境に恵まれていない状況とみてよいでしょう。
そのような状態にある子どもや青年に対して、行為そのものを抑制したり禁止したりするのは得策ではありません。抑制や禁止を受けると、彼ら・彼女らは「自分の心はやはり理解されない」と感じて、その場は行為をやめるかもしれませんが、すぐに再発し、さらに悪化する可能性があります。
対応におけるもっとも大事な点は「心で寄り添うこと」です。原因ほかを問い詰めてはいけません。問うことなく、ゆったりした心持でそばに寄り添うことによって、彼ら・彼女らが心を開いて語り出してくれるのを待つことです。語り出してくれたら、説教や干渉を一切せずに「そうか。そう感じるんだ。それは辛いね」と受け入れる心持で耳を傾け続けることです。
リストカットの項でも述べたとおり、子どもに自傷行為に類する様子がみえた場合には、親がカウンセリングを受けることが大切です。カウンセリングによって対応の適切な基本を習得するなら、行為そのものは意外に早く消失する場合が少なくありません。



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