服装の「乱れ」   2003/10/26(Sun)

「今どきの若いモンときたら、まったく…」に類する言葉は、遠く古代ギリシャ時代の文献にもみつけられると聞きました。若くはなくなった世代が若い世代に苦言をいう。これは人類史を通じて延々とくり返されてきて、今後もくり返されてゆくことなのでしょう。
江戸時代後半には「かぶく」という言葉がありました。世間の常識や節度を逸脱した装いをすること。そんな若者ファッションで町を歩いている人は「かぶき者」と呼ばれたそうです。
私はいわゆる団塊の世代です。若い時代にはヒップボーンのジーンズの裾を引きずり、花柄のシャツを着て、もちろん髪は長く伸ばしていました。前の世代からは「なんとみっともない格好をしているんだ」と思われていたはずです。服装も髪型も乱れているのだから、心も荒んでいるのだと決めつけられてもいたでしょう。
そんな私が、やはり戸惑っています。今どきの若い者の服装が納得できなくて、気になってならないときがあります。若いころの私が、つまるところ同じことをしていたはずなのに、大きな心で「いいじゃないか。若者には若者の美意識があるんだから」と受け入れることができきれません。
服装の乱れは心の乱れ。学校の先生なんかはいいたがります。けれど大嘘です。少なくとも服装が乱れた結果として心が乱れるわけではありません。先に心のあり方があって、それが外面に現れることは十分にあり得ますが、その場合に、外面から規制したところでよい結果には、決して、なりません。むしろ悪い結果になりがちです。
いずれにしたって、若者の服装は、若者ではない者からみれば「乱れ」て当たり前だと思っておくのがよさそうです。乱れさせてはならないとこだわって制服に押し込めても、制服を乱れさせて遊ぶのが若い心。本当に、外面でとやかくいうのはバカらしいことです。



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