友達ができない   2003/11/12(Wed)

とくに思春期以降に「友達ができない」または「友達が少ない」ことを過剰に心配する例が目立ちます。青年期には、本意を逸脱して自分の個性を過剰に演出してでもより多くの人々と「友達らしい関係」を保とうと苦闘する例が目立ちます。
私は常々「友達100人神話を蹴り飛ばせ」とお伝えしています。♪友達100人できるかな〜〜♪。そんなにたくさん友達できるわけないだろ! みなさんだってそう思っているはずです。
友達は多ければ多いほどいい。そんな思いは幻想、または余計な押し付けでしかありません。集団への親和性が高いほど「よい子」と評価されがちな学校文化の弊害だといってもよいでしょう。
子どもにはさまざまなタイプがあります。「独り」を楽しみたがる子もいれば「つるむ」のが好きな子もいます。一人の子に注目しても、「独り」を楽しむ時期と「つるむ」を楽しむ時期とがあるはずです。
心を分かち合って語り合える友達がいたほうがよい。その点に異論はないでしょう。しかし友達を作らねば、より多くの人と仲良くしなくちゃ、もっとたくさんの人に気に入ってもらわなくちゃ、人に嫌われないようにしなくちゃなどなどの意識にとらわれてしまうと、心はすっかり緊張してぎこちなくなってしまいます。そのぎこちなさは人間関係をギクシャクさせ、友達ができにくい状況を招きがちです。
友達。無条件にそう呼べる存在は、長い人生を通じてもそうそうたくさん現れるものではありません。たくさんの仲間とワイワイガヤガヤ、表向き楽しそうにやり取りしているからといって、その人がたくさんの友達に恵まれているわけではありません。むしろ無理やりにノリのよいフリをしているおかげで、すっかり疲れきっている例も少なくありません。
本当に気の合う友達なら、どちらもまったく無理や不自然な心遣いなどしないでも一緒に過ごせます。そんな友達との出会いは、必ずやってきます。だから今は友達がいない、または少ない、できないとしても、焦らないでいいんです。めぐり合いは待つものであって、焦って追っかけるものではありません。



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