いうことを聞かない子ども   2003/10/29(Wed)

親がいうこと、つまり「親による指示や命令」を聞き入れない子どもは、ごく一般論でいうなら、指示や命令を受けすぎて育ってきた子どもとみるのがよいでしょう。平易な言葉でいうなら、親が口うるさいがために、口うるさい指示や命令を上の空で無視するようになってしまった状態にある子どもです。
逆に親のいうことをすぐに聞く子どもには二つのパターンがありそうです。
一つは親の意向に過剰な配慮をしてしまう子ども。感受性の強い頭のよい子にありがちなタイプで、いわゆる「(親にとって都合の)いい子」です。子どもは本来が厄介な存在であるはずなのに、誰からみても「いい子」であるとすれば大問題。その意味では「いうことと聞かない子ども」は本来の子どものあるべき姿であり、子どもらしく育っているとみてもよいかもしれません。
もう一つのパターンは、日常、親がほとんど指示や命令やアドバイスをしない中で育っている子どもです。通常は、一定範囲の行き過ぎや過ちがあっても大らかに対応してもらえている。重要なポイントにおいてのみ、親がしっかりと指摘する。そのような中で育つ子どもは「いい子」になり過ぎることもなく、適切な範囲で親の言葉を受け入れる子になります。
いずれにしても「子どもは反抗すること」によって育つのだという大事な事実を再確認しておくことにしましょう。「いうことを聞かない」よりも「いうことを聞きすぎる」ほうがはるかに大きな問題が潜んでいる危険があるということです。
なお「いうことを聞かない子ども」ではなく「いうことが心に届かない子ども」が急増している点にも注意しておいてください。これはコミュニケーション能力が育っていない子どもです。
この問題については「テレビやビデオの影響」の項目も参考にしてください。また『しゃべらない子どもたち・笑わない子どもたち・遊べない子どもたち』(片岡直樹・山崎雅保共著/メタモル出版)も参考にしてください。



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